株式会社 片岡屏風店

代表取締役 片岡 恭一 氏 (左) 専務取締役 片岡 孝斗 氏

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「北斎屏風」を入り口に日本の屏風の奥深い魅力を
より多くの方に伝えていきたいです

東京・墨田で3代にわたり、日本で独自の進化を遂げてきた伝統の屏風作りを受け継ぐ片岡屏風店。
古くから風よけや間仕切りとして暮らしを支えてきた日本伝統の室内装飾品は、日本人ならではの美意識に育まれ、和室のみならずさまざまな空間を演出する調度品として、また、芸術作品を引き立てるキャンバスとして、いま新たな注目を集めています。

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日本で独自の進化を遂げてきた屏風作りの技術を継承しています

「屏風は中国から伝来しましたが、和紙の特性を活かしつつ約1300年前から日本で独自の進化を遂げてきました」と熱く語り始めたのは若き3代目、片岡孝斗さんです。
「たとえば、紙製の蝶番(ちょうつがい)で屏風の木枠同士を強固につなぐ技術は日本特有のものです。また、絵画を貼る際も、紙ごとの特性を見極めて水を打つ量を調整し、ピンと張った状態に仕上げます」
こうした技術により、日本の屏風はとても軽量で、じゃばら状に立てる独特の形をし、しかもその継ぎ目をほとんど感じることなく仕立てられています。そして、風よけや間仕切りとして用いられるなかで、やがて絵画や書などをあしらった装飾品として進化していったのです。
「それを支えてきたのが、屏風作りの伝統技術を継承し、発展させてきた職人たちです」と孝斗さんの口調は熱さを増します。
しかし、生活様式の変化から、屏風の需要は下がり続けてきました。片岡屏風店が東京で唯一の屏風専門店であることからも、その現状がうかがえます。
「日本の屏風作りの優れた伝統技術を広くアピールし、屏風が持つ奥深い魅力を感じていただくにはどうしたらいいか――。そのアイデアをいろいろと練っているときに知ったのが、Buy TOKYO推進プロジェクトでした」

「北斎屏風」をアピールするためにBuy TOKYOの支援を得ました

「屏風に馴染みのない方たちにアピールするため、まず着目したのが葛飾北斎でした。その名作『冨獄三十六景』の絵柄を屏風にあしらうことにしたのです。そして、この『北斎屏風』をより多くの方に見ていただくことで日本の屏風の魅力を再発見していただけたら、と考えました」

 しかし、アピールするためのツールを制作する費用はあなどれません。注目される質の高いPRツールを目指すならば、なおさらです。
「費用の工面やPR手段に悩んでいるときに知ったのがBuy TOKYO推進プロジェクトで、温めていた"江戸の技術が息づく北斎屏風を世界に広める"というコンセプトの思いのたけを申請書に綴りました。幸い、その熱意が通じたのか、東京都から認めていただけました」

 Buy TOKYO推進プロジェクトの支援を受け、孝斗さんがまず1年目に取り組んだのが、葛飾屏風のパンフレット(日本語・英語・中国語・仏語の四か国語)の制作でした。
また、PR動画の制作には特に力を注ぎました。「屏風を写真で見るだけではやはりピンと来ないんですね。映像で見ると説得力があり、屏風の魅力がより伝わります」
この動画は職人の技を伝える屏風作りの解説と北斎解説の2部構成になっていて、片岡屏風店ホームページの「北斎屏風」特設ページで閲覧することができます。
「(BuyTOKYOの支援では) 補助金に加え、コンサルの方からもいろいろとアドバイスを受ける機会を得ました。とても有難かったですね」

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国際見本市で海外バイヤーに関心を持っていただきました

支援2年目に取り組んだのは、展示会への出展でした。「これまでも、節句人形用の屏風での展示会への参加はありましたが、片岡屏風店として『北斎屏風』を全面に打ち出した展示会への出展は初めてのことでした」 参加したのは2018年11月に開催された、国内の一流木工家具メーカーやインテリアメーカーが出展する国際見本市「IFFT/インテリアライフリビング」。「小さなスペースでの展示でしたが、きらびやかな『北斎屏風』は注目を集め、おかげさまで大好評でした。海外からのバイヤーの関心も高く、現在、商談が進んでいる案件もあります」と孝斗さんは微笑みます。 孝斗さんのお父様、2代目の片岡恭一さんは、こんなエピソードを披露してくれました。 「私どもの工房の1階は『屏風博物館』と称したギャラリーになっています。この開設を勧めてくださったのは英国のご婦人でした。『こんなすばらしい屏風を展示しない手はないわ』と。外国の方のほうが、何の先入観もなしに日本の屏風の魅力を感じていただけるのかも知れませんね」  現在、片岡屏風店では結婚式やお祭りなどの「ハレ」の日を演出する昔ながらの金屏風やお節句屏風のほか、お客様がお持ちの着物や帯などを屏風に仕立てるオーダー屏風、画家や書家、写真家など作者の意向を反映しての屏風に仕立てる作品づくりなど、新たな屏風づくりにも積極的に取り組んでいます。 「『北斎屏風』は、いわば私たちにとって名刺のようなもの。それを入り口に、屏風の魅力の奥深さを伝えていくことが使命であると考えています」と孝斗さん。その志は高い。