有限会社 アトリエ・エイト

代表取締役 髙橋 正明 氏

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「よせもの」技術から生み出される
日本人らしい繊細なアクセサリーが海外でも認められつつあります

日本の伝統技術「よせもの」の手法を貫き、クリスタルや人工宝石を使ったブローチ、ネックレスなどのジュエリーを製作する有限会社アトリエ・エイト。
一つひとつのパーツを留める台座を手作業で丁寧にろう付けして形作る「よせもの」ジュエリーは、手仕事の温もりとともに軽やかで繊細な雰囲気をまとった独特の光を放ち、ファンを広げています。

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東日本大震災をきっかけに自社ブランドを立ち上げました

「じつは、いまのように自社ブランドやショップを持つきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災なんです」と髙橋正明さんは、東京・葛飾に工房を構えるアトリエ・エイトとは一見何の関係もなさそうな意外なことを話し始めました。
「ブライダル用のジュエリーやパーティなどハレの場に付けるアクセサリーが当社の製品の主な需要先です。ところが震災後、そうした需要が急激に冷え込み、困り果てていたのです」

 危機感を募らせた髙橋さんは「新たな得意先を探すヒントが何か得られれば」との想いからビジネス交流会に参加し、そこでオリジナルブランドの立ち上げをアドバイスされました。
「それまではOEMだったので、当社はいわば黒子的存在。リスクは伴うものの自社ブランドを持ち、直接お客様とつながることで新たな展開が始まるかもしれないと考えるようになりました」

 早速、髙橋さんは「MASAAKi TAKAHASi」という名のオリジナルブランドを立ち上げました。2012年のことです。
「もとより、私たちが継承する高度な『よせもの』技術から生み出すアクセサリーの品質、商品力には自信があります。その認知度をいかに上げていくか、それが大きな課題であり、自社ブランド立ち上げの動機でした」

さらなる挑戦のためには販売促進が不可欠でした

「MASAAKi TAKAHASi」のブランドを立ち上げると、髙橋さんの願いどおり、環境が徐々に好転し始めました。有名な東京會舘のセレクトショップからの引き合いや、テレビ番組で下町の職人として取り上げられると、それをきっかけにクリスタルガラスの一流メーカーであるスワロフスキー社からパートナーブランドとして認められ、海外でも注目されるなど、追い風が吹き始めたのです。
「2013年には第9回東京の伝統的工芸品チャレンジ大賞で一次審査を通過し、江戸東京博物館で展示する機会を得られました」100年以上も継承されてきた「よせもの」が伝統的な工芸品であることの認知も上がったと思います。「翌2014年には東京都の都内産品販売活動支援事業の助成金を活用して、ものづくりのアーティストが集まる東京・御徒町の商業施設『2k540』にショップをオープンすることもできました。信じられないほどラッキーが重なり、事業を成長させていくさまざまな可能性が見えてきました」

 こうして『MASAAKi TAKAHASi』のアクセサリーは次第に認知度を上げ、全国の百貨店などで期間限定のPOP UP SHOPを任せてもらうなど、新たな販路も広がっていきました。
「とはいえ、販売量的にはまだまだで、海外への展開などさらなるチャレンジをしていくためには企業体力が足りませんでした。何とか販売促進を図っていかなければならないと考えていたときに知ったのが、『Buy TOKYO推進活動支援事業』でした」

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ハンズオン支援により新たな販路を開拓できました

Buy TOKYO推進活動支援事業の特長の一つが、コーディネーター及び専門家によるハンズオン支援です。事業の進捗に応じてコンサルタントを派遣し、ブランディングや販売促進などの具体的なアドバイスやサポートを行うというものです。
「実際、専門家の方に有名なスタイリストを紹介してもらってマスコミでの露出を増やしたり、ブライダルへの積極的な売り込みや大手通販会社へのアプローチなどコンサルタントに同行してもらい販促活動を行ってきました。
そして、それを糸口に自ら商機へとつなげ、たとえば大手通販経路でギフト関係の新たな販路を開拓することができました。幸い好評で、ある程度まとまったボリュームの販売が見込めるので助かっています」

「よせもの」技術の継承

販売促進の一方で髙橋さんが注力しているのが、「よせもの」技術の継承です。現在、ファッションの専門学校で非常勤講師として「よせもの」技術を指導しているほか、ワークショップや講演活動にも熱心で、「よせもの」の認知普及活動に積極的に取り組んでいます。

これからの挑戦

「これからも、日本人らしい繊細な『よせもの』技術を用い、現代的な感覚と自由な発想でジュエリーやアクセサリーの世界に新風を巻き起こしていきたいですね」と熱く語る髙橋さん。アトリエ・エイトの挑戦は、まだ始まったばかりです。