株式会社 隅田屋商店

代表取締役 片山真一氏

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Buy TOKYO推進プロジェクトの支援が
あったからこそ、
海外展開の道が拓けました。

創業100年を超える老舗「隅田屋」の屋号を冠した「隅田屋米」は、東京都が"東京産江戸米"として認めたオリジナルブレンド米です。毎年変わるお米の作柄を考慮しながら、その折々のお米の良い特徴を引き出すために複数のブランド米を厳選、あえてブレンドを行うことで隅田屋にしかできないオリジナルの味を生み出しています。

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お米本来の旨みを引き出すために
「隅田屋米」を作りました

「『隅田屋米』は東京産っていうけど、どこか郊外の田んぼで作ったお米なの?――そうよく聞かれます。『隅田屋米』は東京で生産されたお米ではなく、当店で厳選した全国各地のブランド米を独自にブレンドし、精米したお米のこと。それを墨田区や東京都に"東京産"と認めていただいているのです」と隅田屋商店の五代目、片山真一氏は胸を張ります。

 なぜ、東京で生産したお米ではないのに"東京産"と認められたのでしょう。
「そのお米が持つ本来の"旨み"を引き出すには、じつは"精米"がとても重要なんです。お米の"旨み"は、玄米の皮の直下にある"ぬか層"が大きく影響しています。消費者の嗜好に合わせて近代的な効率の良い精米機で玄米を白くなるまで精米すると、この旨み成分の"ぬか層"を削ってしまいます。

 一方、当店では昭和20年代に造られた古い精米機を使用し、「循環式古式精米法」にこだわって時間をかけて少しずつ精米をしています。そうすることで、お米本来の旨みや甘い香りを味わうことができるのです」

 加えて、100年を超す隅田屋商店の歴史の中で築き上げてきた産地や業者との幅広いネットワーク、お米を卸してきた料理人たちのこだわりや教えが、隅田屋商店のお米に対する"目利き"の源泉となっています。
「この"目利き"としての経験を活かし、独自にブレンドしたお米を昔ながらの精米法で仕立てる。産地はさまざまですが、精米をしているのはここ東京都墨田区。この発想と道理を認めていただけたからこそ、当店は東京産『隅田屋米』の製造者を名乗れるのです」

隅田屋商店には、多くの"お米難民"が訪ねて来ます

「当店は墨田区の小さな米屋ですが『おいしいお米があるって聞いたのだけど』と、遠方からのお客様がよくいらっしゃいます。スマホを片手に訪ねてくる外国人もたびたびです。そうしたおいしいお米を求めてさまようお客様を、私は"お米難民"と呼ばせていただいています(笑)」

 いま消費者のお米の購入先は、スーパーや量販店、ネット、産直などです。そこでのお米選びの選択基準は主に価格と銘柄でしょう。「それが"お米難民"を生む原因」と片山氏は言います。
「かつてお米は米屋で買うものでした。お客様がどのようなお米が好みか、その年の作柄はどうか、炊き方はこうしたほうがいいなど、店員がいろいろとアドバイスしながら対面販売をしていたものです。
そうした機会を失ったがゆえに、ご飯のおいしさにこだわりを持っている方が"お米難民"になってしまうのです」

 片山氏は、対面販売がままならないデメリットを少しでも解消すべく、消費者に『隅田屋米』の味や香りを体験してもらうために、その本来の旨みを味わっていだくために、「炊飯教室」をさまざまなところで開催しています。

 しかも、国内だけでなく海外にも片山氏の目は向けられていました。
「日本には世界最高のお米があります。炊飯器も世界最高。外国人観光客の日本みやげの電化製品のトップは連続10年炊飯器です。日本のお米に対する外国人の関心は私たちが想像する以上にとても高い。何とか海外で試食販売ができないものかと考えていたときに知ったのが、Buy TOKYO推進プロジェクトでした」

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海外でも「炊飯教室」を開き、大好評です

「2017年のこと、『隅田屋米』と炊飯器2台を抱え、まず訪れたのがアメリカ西海岸の日系スーパーでした。Buy TOKYO推進プロジェクトの補助金を活用し、現地で『隅田屋米』の試食販売を行ったのです。

 単なる試食販売だけでなく、カリフォルニア米と日本米の違いやお米の正しい炊き方なども説明させてもらったのですが、これが大好評。店長から「炊飯教室」もぜひ開いてほしいと請われ、またすぐに渡米することになりました」

 片山氏は現在、アメリカ西海岸だけでなく シンガポールや台湾など西アジアも含め、3か月に一度、海外で「炊飯教室」を開催しています。
「2018年秋、こうした実績が評価され、農林水産省から戦略的米輸出事業者の認定も受けました。思いもよらなかった展開の速さに驚いていますが、これまで長年にわたり隅田屋商店が取り組んできたことが認められただけで、私自身のスタンスとしては昔からかわっていません。その意味で大きな自信を与えられ、隅田屋商店の暖簾をさらに磨いていかなければ、と新たな意欲もわいてきました。

 こうした、いわばロケットスタートがきれたのはBuy TOKYO推進プロジェクトの支援があったればこそ。とても感謝しています」